前月号で取り上げたパスワードのセキュリティ。セキュリティは高めたいものの、複雑なパスワードの設定は避けたいという方におすすめなのが、スマートフォンやタブレットなど、タッチ操作をメインとした機器の特性を活かした「ピクチャーパスワード」です。
ピクチャーパスワードは、Windows8に搭載され、画面をなぞるだけでパスワードを入力できる機能です。高いセキュリティを確保するため、通常、数字や英字、記号などを組み合わせた、8桁以上のパスワードが推奨されています。しかし、複雑なパスワードを設定した分、ユーザは覚えるのが大変です。その中で、ピクチャーパスワードは、たった3つのジェスチャーの組み合わせで、高いセキュリティを保持することができます。ジェスチャーの組み合わせは、円、直線、タップの3種類。設定したジェスチャーは、横軸と縦軸の位置、直線の始点と終点や方向、円の中心点、半径などで管理されます。セキュリティの高さを論理的に考えると、3文字による英字や記号の組み合わせは約8000通りなのに対し、ピクチャーパスワードは、約11億通りもの組み合わせが考えられます。この数字だけを見ても、セキュリティの高さが伺えます。
ジェスチャー設定のコツは、細々とした輪郭や対象よりも、大きな対象をなぞり、タップすることです。写真に落書きをする感覚で設定すれば、さらにオリジナル性の高いパスワードになります。わざわざ難しく設定する必要はありません。簡単な動作の方がユーザにも嬉しく、ピクチャーパスワードの特長が活かされます。